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About

私がなぜ「いいよのおへや」を作ろうと思ったのか。たかだか20年弱、会社員として勤めてきただけの自分が、です。それは「人の役に立ちたい」とか「みんなを元気にしたい」とか、そういう一般的な奉仕の精神とは少し違います。これについては、私自身のことをお話しする必要があるように思います。

 

私は、いくつかの企業で普通の会社員として過ごしてきました。仕事の内容はハードでしたが、やりがいのある宿題を与えられ、自分なりにそれに応える努力をしてきたと思います。魅力的な上司や仲間、後輩に囲まれ、充実した社会人生活を送っていたと周囲には見えていたかもしれません。そしてふたりの子宝にも恵まれ、母としても幸せに生きているように見えていたかもしれません。でも、私は常に満たされず、惨めで不安な気持ちを隠し続けていました。

 

思い起こせば、私には小さな頃から親や周りが求めることに応えようとする「クセ」がついていたように思います。勉強も友だちとの付き合いも、そして仕事や子育てにおいても、他者からの見え方を気にしていたのだと思います。つまり「自分がやりたいからする」のではなく、「することで誰かに喜んでもらえる」「することで自分を認めてもらえる」、そんなふうに他者からの評価にだけ、自分の存在意義を求めていたのではないか、と。

 

でもその方法は、ただ孤独に努力し続けるだけ。

人に意見や助けを求められない。

努力を認めてもらえても、素直に喜べない。

なぜなら、自分に自信がないから。自分のことを好きじゃないから。自分を「良い」と思えないから。

 

本当は理解されたい。でも理解されたら嫌われてしまうのではないか、と思ってしまう。

だから、手を差し伸べてくれる人の、その手を振り払ってしまう。

そして、理想とする自分を演じ続けてしまう。

いきいきと自然に生きている人がうらやましい。

自分もそんなふうになりたい・・・。

 

その点、私の周りの輝いている人たちは、いわゆる「優秀さ」とは別の、「素直に生きる力」を持っているように見えました。

 

この人にあって、私にないもの。

 

それは「自分を受け入れていること」「自分を好きでいること」「自分を大切にすること」「自分を信じること」。そういう土台のある人は、他者とのコミュニケーションがスムーズです。自然と人が集まってくるようにも見えます。たとえ困難があっても、いつまでもとらわれず、前進しているように見えます。

そして人生を楽しんでいます、当然のことのように。

 

そのことに気づいてから、私は「自分を受け入れる」というとてもシンプルで難しいテーマに向き合い、行ったり来たりしながら、やっと自分がとらわれていたことから解放され、「自分はこれでいいんだ」と思うに至りました。

 

我が子にも「何かをしてあげる」のではなく、子どものロールモデルとして、いきいきとした人生を送るように努めることが、何よりも大切なことだと思うようになりました。そして、自分と向き合う勇気を持った結果、「いいよのおへや」という夢のご褒美をもらえたのかもしれません。真逆の経験から、いきいきとした人生を送るために「本当に必要なこと」は何か、少しずつ見え始めている気がしています。

 

今はまだ小さなおへやですが、ここからスタートして、本当に必要なことを探し続けている方たちと一緒に、「いいよのおへや」を愛でいっぱいのおへやにしていきたいと思います。

 

「いいよのおへや」に来てくれた子どもたちが、大好きなものを見つけ、負の思いにとらわれず、無心でまい進する姿を見たい。そして、子どもたちの成長のために今後の人生を捧げられたら、こんなに嬉しいことはありません。

川﨑 憲子

Noriko Kawasaki

 

1974年北海道生まれ。大手求人広告会社にて15年勤務した後、医療系メディア出版社、人材系コンサルティング会社で勤務。いずれの企業においても、企画、マーケティングを担当。2児の母。

米国CCE,Inc認定GCDF-Japanキャリアカウンセラー​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​​

川﨑 憲子

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